飲食店融資事例

飲食店融資事例

飲食店開業の融資、兵庫県で開業、未経験で500万円を借りた事例

日本政策金融公庫で借り入れをする場合、「経験」を要求されます。しかしながら飲食業は特に資格もいらないために参入障壁も低く、経験が少ないままに独立開業をする方もいらっしゃいます。今回ご紹介をするYさんの例もまさしくそうでした。経験不足を補ってどのようにして融資を受けることに成功したのでしょうか?   1.日本政策金融公庫の利用条件 日本政策金融公庫の創業時に使うことができる「新創業融資」の利用条件は3つあります ※日本政策金融公庫HPより引用 創業の要件 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方 雇用喪失等の要件 「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方(既に事業を始めている場合は、事業開始時に一定の要件に該当した方) 自己資金要件 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方   簡単に言えば、「事業を始める前、もしくは始めたばかり」で「人を雇う予定」で「自己資金がある程度ある方」です。今回のYさんはこの条件は全く問題なかったのですが、このほかにも、飲食業の場合5年~6年程度の経験年数を要求してきます。   2.未経験の職種で融資を受けるためには? 融資を受けるために大事な事は①過去の経験②自己資金③計画性④熱量(やる気)⑤人脈の5つがあるかです。Yさんの場合、過去の経験と人脈がネックになりました。 実はYさんは補助金も受けているのですが、その時も含め当初はよろず支援拠点や商工会議所に相談をしていました。形式的なアドバイスはあったのですが、かなりピントがずれているとご本人が感じて、当所にご相談をいただきました。その甲斐もあって補助金を受けることができたのですが、補助金を満額受けるためには融資が必要でした。   参考リンク:カフェや飲食店の開業で使える補助金・助成金は?補助金で開業できる??   時間的な制約があったため、自治体の制度融資を使うことはできずに政策金融公庫一択でした。しかも公庫でも一般という形でお願いした場合、期日に間に合わない場合があるため、再度商工会議所に面談の予約を依頼していただきました。   参考リンク:飲食店を開業する時の資金はいくらかかる?どのように準備するか??   ただ、その時に商工会議所の担当者から「希望金額(500万)全額は難しいかもしれません」といわれてしまいました。後日公庫の方からも連絡があった際に、「商工会議所からある程度の情報を頂き確認しましたが、もしかしたら全額は無理かもしれない」という連絡を頂いたと再度相談があり、確認するとどうも未経験者であることを公庫は気にしているようであったのです。そのため当所としては、それ以外の部分での優位点(準備に1年以上かけており、コツコツと自己資金をためていた、事業計画をしっかり作りこんでいる)をアピールするように書面作成をお手伝いし、事前に面談で突っ込まれそうなお話をシミュレーションしたロープレを行う事をいたしました。 すると実際の面談が終わったときに「しっかり準備されていたので多分大丈夫だとおもいますよ」という言葉を公庫の担当者からいただき、結果無事に500万の融資を受けることができました。   3.経験は必要?? 2018年新規開業実態調査を日本政策金融公庫総合研究所が行っているのですが、それによると約83%の方が経験のある業務内容で開業しており、逆に17%の方が全くの未経験の分野の開業です。(趣味起業家は除く)したがって17%の方であってもしっかりとした事前準備をすることで、今回のYさんのように融資を受けることはできます。 但し、もし時間的余裕があるのであれば1年は開業したい業務の修行をしておいたほうが良いと考えます。   まとめ いかがでしたでしょうか、未経験だからといって融資を受けられないわけではありません。事前にしっかり準備をし、適切な対応を取ることができれば融資を受けることは可能です。