創業融資を考える時に、皆さんが興味を持たれるフレーズとして「ブラックリスト」というものがあります。これについてどのようなものなのか、さらにブラックであっても資金調達することができるかを説明します。
1.ブラックリストとは
①そもそもそのようなリストは存在しません。
国の指定する信用情報機関に事故情報(延滞、債務整理、自己破産)が登録されることを、一般的に「ブラックリストに載る」と表現しているだけです。
②国の指定する個人信用情報機関は3つ
- 主に消費者金融の団体が作った、日本信用情報機構(JICC)
- 主にクレジットカード会社の団体が作った、株式会社シーアイシー(CIC)
- 一般社団法人全国銀行協会の運営する全国銀行個人信用情報センター(KSC)
この3つに関しては情報共有がされており(CRIN情報)どこか一つに登録されるとすべてに影響が出ると考えられております。
③主な登録原因
- 携帯電話料金の未払い(但し通話料に関しては、クレジットカード払いで遅延がなければ該当しない)
- クレジットカードの支払遅延(おおよそ1週間から10日前後の期間と考えられる)
- クレジットカードの代金未払い
- 奨学金の支払遅延
上記のようなことが現在及び過去にあると借り入れが非常に難しくなります。
④逆に掲載されない事項
- 公共料金の遅延
- 税金の遅延
- 過払い金の請求
しかし公共料金の遅延及び税金の遅延に関しては、そもそも「日本政策金融公庫でお金を借りたい場合、6つの内容に当てはまると融資が難しい」という部分に引っかかるため、問題外です。
2.履歴に乗っている期間
①日本信用情報機構(JICC)
遅延 | 任意整理 | 自己破産 | 強制解約 |
1年 | 5年 | 5年 | 5年 |
②株式会社シーアイシー(CIC)
遅延 | 任意整理 | 自己破産 |
5年 | 5年 | 5年 |
③全国銀行個人信用情報センター(KSC)
遅延 | 代位弁済、不渡り | 任意整理 | 自己破産 |
5年 | 5年 | 5年 | 10年 |
上記からわかるように一度登録されてしまうと大体5年は消えないと思ってください。
後、時々いらっしゃるケースでは複数の金融機関に審査を申し込んで、その情報が残っている(大体6か月~1年)ことで、登録される方もおります。
3.ブラック状態で登録されることのデメリット
(1)クレジットカードの作成は難しい
(2)金融機関の融資が難しい
(3)現状受けている貸付の増額も難しい(キャッシング、カードローンも含む)
ここで分かるようにブラックリストに載ってしまうと資金調達が非常に難しくなります。どうしたらよいのでしょうか。
4.ブラックリストに載っていても、日本政策金融公庫から借り入れできる可能性も
すべての金融機関に該当しますが、個人信用情報機関はあくまで国が指定する機関であり、マイナスの情報が載っているからといって、絶対に貸してはならないという決まりがあるわけではありません。(そうは言っても、過去はともかく現在では日本政策金融公庫も個人信用情報機関は非常に重視しております。)少額の場合(300~500万)は過去(現在進行形は無理だと思ってください)に遅延等を繰り返し登録されている場合でも、直近2年ぐらいが問題ない場合は審査が通る可能性もあります。
まとめ
信用情報に問題がある場合(ブラックリスト)でも日本政策金融公庫や民間の金融機関から融資が受けられる可能性もありますので、ぜひご連絡ください。